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研究紹介 SMP30の機能解明 老化とビタミンC シトルリン化分子と老年病態

SMP30の機能の機能解明

SMP30はサリンを分解する?

図4

SMP30に新たなる機能が加わりました。 なんと、SMP30には地下鉄サリン事件で有名なサリン、ソマン、タブンなどの毒物や除草剤、 防虫剤などの有機リン化合物を分解する能力があるのです。 米国ミシガン大学のLaDuらは、ラットの肝臓からサリンと非常によく似た構造をもった DFP(diisopropyl phosphorofluoridate)と呼ばれる物質(図4)を分解するたんぱく質を見つけて、 解析したところ、SMP30と同一であると報告しました。 DFPやサリンなどの有機リン化合物を分解して無害にする酵素は、有機リン分解酵素と総称されます。 また、生体内では悪玉コレステロール(LDL)や細菌の毒素を分解する能力があり、 生体防御に重要な役割を果たしていると考えられています。 当然、DFPやサリンなどの化合物は、近代に合成されたものであり、生体内には存在しません。 従って、生体内には、SMP30が分解できる別の基質が存在する筈です。 SMP30遺伝子破壊マウスの肝臓ではリン脂質が異常に増加していることから、 SMP30にはリン脂質を分解する能力があるのかもしれません。

加齢に伴って細胞や組織では、様々な外的、内的ストレスが増大します。 SMP30は、それらストレスを抑える働きがあります。加齢に伴ってSMP30が減少すると、 細胞や組織がストレスに耐える力(閾値)が低下します(図5)。 また、さまざまな動物実験から、カロリー制限食を続ければ、寿命が延びるだけでなく、 加齢に伴って発症する病気にかかりにくいことが良く知られています。 カロリー制限を行った動物では、加齢に伴うSMP30の減少は起こりませんでした。 このように、SMP30は、老化と非常に密接な関係があります。

図5

 

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