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研究紹介 SMP30の機能解明 老化とビタミンC シトルリン化分子と老年病態

老化とビタミンC

ビタミンCと慢性閉塞性肺疾患(COPD)

1.COPDとは

図6

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙が主な原因とされる肺の生活習慣病です(図8)。 COPDはこれまで「慢性気管支炎」「肺気腫」と診断されてきたものが含まれます。 日本では530万人以上の患者がいると推計されていますが、 COPDという疾患に対する日本国民の認知度が低いために実際に治療を受けているのは約21万人に過ぎず、 残り95%は未治療のまま病気を進行させてしまっているのが現状です。 高齢化や喫煙開始の低年齢化に伴って、 今後患者数が爆発的に増加することが予想されています。 しかし、COPDの予防・治療薬は未だに開発されていません。


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2.ビタミンC不足は喫煙によるCOPD発症リスクを高める

COPDは慢性的な喫煙習慣による「タバコ病」、すなわち肺の生活習慣病です。 私たちはSMP30遺伝子破壊マウスをビタミンCの少ないエサで飼育し、 タバコ煙曝露実験を行い、肺の形態学的変化及び酸化ストレスを調べました。 その結果、タバコ煙曝露によって、普通のマウスでは肺にほとんど変化が認められなかったにもかかわらず、 SMP30/GNL遺伝子破壊マウスではCOPDの主要な病理変化である肺気腫、 すなわち肺胞の破壊による気腔の拡大が生じました(図9)。 更に、酸化ストレスの亢進及びアポトーシスの誘導が顕著に認められました。 このように、ビタミンC不足は喫煙によるCOPD発症リスクを高めることが明らかになったのです。 SMP30/GNL遺伝子破壊マウスは新たなCOPDモデルマウスとしてその有用性が期待されています。

図9

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